【暗号資産と法定通貨(普通のお金)の仕組みの違いを解説します】

2017年のビットコインの価値高騰により、注目度が増した暗号資産。
今現在、日本では限られた場所でしか通貨として使用できないため、投資先というイメージが強いと思います。
しかし、2017年4月に施行された「改正資金決済法」通称「仮想通貨法」により、政府によって正式に暗号資産が円と同様に財産価値のある通貨であると定義された事から、今後電子マネーのように一般的な通貨と同様に使える日が来る可能性もあると言われています。
本記事では、そんな暗号資産が一体どういうものなのか、どういう仕組みで成り立っているのかについて、分かりやすく解説していきます。

目次

1  暗号資産って一体何?
2  法定通貨(円やドルなど)と暗号資産の仕組み・3つの違いとは?
  2.1 【法定通貨と暗号資産の違い1】通貨管理の仕組み
  2.2 【法定通貨と暗号資産の違い2】発行の仕方
  2.3 【法定通貨と暗号資産の違い3】発行量と発行ペース
3  どんどん増え続ける暗号資産の種類

暗号資産って一体何?

国でもなく、銀行でもなく、インターネット上で発行され、
インターネット上で管理されている実態のないお金の事を総称して暗号資産と呼びます。
インターネット上の貨幣と聞くと真っ先に思い浮かぶのがSuicaやEdyなどの電子マネーだと思います。
電子マネーが一度円などの通貨から交換すると払い戻しができないのに対し、
暗号資産は円などの通貨から交換しても、また円に戻すことができます。

つまり、電子マネーはあくまで貨幣を使わずに決済ができる様に作られた仕組みであって、
暗号資産は円やドルと同じ通貨であるという点に大きな違いがあるのです。

法定通貨(円やドルなど)と暗号資産の仕組み・3つの違いとは?

円やドルなど国や銀行が発行する法定通貨とインターネット上で発行される暗号資産には
仕組み自体が次のような3つの違いがあります。

・通貨管理の仕組み
・発行の仕方
・発行量と発行ペース

では、それぞれどのように違うのかについて詳しく見ていきましょう。

【法定通貨と暗号資産の違い1】通貨管理の仕組み

暗号資産と言えば、2014年に国内最大級のビットコイン交換所を運営していた
M社のビットコイン損失問題により「暗号資産ってセキュリティ的に大丈夫なの?」と噂されていましたが、
今現在は国が法律で正式に暗号資産を通貨として認めるなど、暗号資産に対する信頼性が高まってきています。

暗号資産が信頼性を獲得した最大の理由が、
暗号資産が採用しているブロックチェーンという画期的な通貨管理の仕組みにあります。
通常、円やドルなどの法定通貨は、国や銀行などが発行し、
すべての取引記録を一括で管理しています。
一方で、暗号資産は法定通貨のように国や銀行など通貨を一括で管理する中央管理者がいません。
インターネット上で通貨の取引に参加しているすべての人同士がお互いにすべての取引記録を共有し、
お互いに管理していくブロックチェーンという仕組みを採用した事で、
中央管理者がいなくても取引記録の信頼性を保ちながら管理しているのが暗号資産の最大の特徴であり、
従来の法定通貨との違いです。

ブロックチェーンという仕組みでは、ブロックと呼ばれるある一定期間の取引記録を
時系列順に並べてチェーンのように連結させることで台帳を管理しています。
前のブロックと次のブロックで同じ取引記録を共有しており、
取引に参加している世界中の人々がオンライン上でブロック内の取引記録に不正が無いかどうか
常に整合性を検証していることから、高い安全性を誇っています。

その安全性の高さは、2009年にビットコインが誕生してこれまでに一度も
偽造やハッキングなど不正問題が起こっていないことからも伺い知ることができます。
(ビットコインなどブロックチェーンを採用している暗号資産に限る)

また、国や銀行が管理する中央集権型の管理方法を取っている法定通貨の場合には、
国や銀行の管理システムに不具合があると、そこが管理している取引すべてに影響が出てしまいます。
一方でブロックチェーンの場合には、参加者すべてが取引記録を共有しているため、
たとえ1つのシステムに不具合が起きたとしても他の人に影響が及ぶことはありません。
このように法定通貨と暗号資産では、その管理方法に大きな違いがあるのです。

ブロックチェーンのベースとなる考え方P2P

高い安全性を誇る画期的なブロックチェーンという通貨管理の方法は
P2P(ピア・ツー・ピア)という考え方がベースにあります。
P2Pとは、使用者同士が中央管理システムを通さずに、直接やり取りができるネットワークのことです。
例えばyoutubeのような動画共有サービスではユーザーは、
youtubeを運営する会社が管理するサーバーに動画をアップし、
サーバーを介して動画を共有するという形でサービスを使うことができます。

そのため、ユーザー数が増えれば増えるほどサーバーにかかる負荷が大きくなり、
さらに大容量のサーバーが必要になってきてしまいます。
一方でP2Pでは、お互いにサーバーを共有し合い、そこで直接データのやり取りを行います。
これによりyoutubeのように中央集権型で管理していたサーバーへの負荷がそれぞれユーザーに分散し、
低コストで運営することができるのです。
このP2Pという考え方は一時期流行ったファイル共有ソフト
Winny(ウィニー)やWinMX(ウィンマックス)などで用いられた考え方です。
P2Pネットワーク上で共有された情報はすべてのユーザーに共有されてしまうため、
一度共有された情報を回収することは不可能です。
Winny(ウィニー)上ではこのP2Pネットワーク上で違法な音楽、
映画データのやり取りが行われていたことから問題視されていたのです。

この情報共有ネットワークの情報共有性の高さを逆に応用し、
全ての取引記録を全てのユーザーに共有することで相互監視を行い、
通貨としての安全性の向上を実現したのがブロックチェーンなのです。

【法定通貨と暗号資産の違い2】発行の仕方

通貨管理の方法だけではなく、発行の仕方にも法定通貨と暗号資産には大きな違いがあります。
通常法定通貨は、国や銀行が金融政策次第で発行します。
一方で暗号資産はマイニングと呼ばれるブロック生成作業に対する報酬という事でしか新規発行は行っていません。
ブロックチエーンシステムにおいて、前のブロックの取引記録と次のブロックの取引記録の整合性を検証し、
新しく次のブロックを生成する作業の事をマイニングと呼びます。
前のブロックと次のブロックの取引記録の整合性を検証するためには、
スーパーコンピュータークラスの高い処理能力を持った設備が必要となり、
暗号資産ではこの検証作業(マイニング)を有志に委託しています。

この検証作業を行ない新しいブロックの生成に協力してくれた対価として新しく発行された暗号資産が支払われ、
新しく発行した分市場の通貨流通量が増えるという仕組みになっているのです。
このマイニング作業が日々有志によって行われ、取引記録の整合性が検証され続けているからこそ
暗号資産の安全性は保たれていると言っても過言ではありません。
このように法定通貨は国や銀行によって、暗号資産はマイニング作業への報酬として
新規発行されるという発行の仕方に大きな違いがあります。

【法定通貨と暗号資産の違い3】発行量と発行ペース

円やドルなどの法定通貨の発行量には特に上限は設けられていません。
しかしむやみやたらと発行し、市場の流通が増えれば増えるほど通貨の価値は下がり、インフレを起こしてしまいます。
そのため、国が定めた金融政策に応じて通貨は随時発行されています。
一方で、暗号資産の場合には、誕生した時から発行量に上限が存在するものがほとんどです。
世界初の暗号資産であり、暗号資産の王様と呼ばれているビットコインでは、
2,100万枚が発行上限と決められており、一定のペースで新規発行がされています

このペースで発行し続けると、2140年にすべてのビットコインの発行が終わるとされています。
このように、発行量と発行ペースにおいても法定通貨と暗号資産には大きな違いがあるのです。

どんどん増え続ける暗号資産の種類

今現在はビットコインをはじめ、世界には4,000種類を超える暗号資産が存在します。
ビットコイン以外の暗号資産のことを総称してアルトコインと呼びますが、
ビットコインとシステムの仕様違いなどによって新しいアルトコインが次々と生まれてきています。
しかし、今現在決済など日常生活において通貨として使われているのはビットコインが主です。
その他のコインは、使用できる場所が限られており、まだまだ通貨としての利便性は低いと言えます。
しかし、今後ビットコインをはじめ多くの暗号資産が通貨として円やドルと同じように
ショッピングなどに使われてくる可能性があります。
利便性と安全性が評価され、世の中に定着するかどうかが今後の焦点になるでしょう。
まずは本記事で暗号資産の基礎知識についてだけでも頭に入れておいてください。

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