【金には税金はかかるの?税金対策としても使える金投資】

金投資にかかる税金として考慮しておくべきものは大きく分けて次の2つになります。
・金購入時にかかる消費税
・金投資によって得た利益に対してかかる所得税
金購入時にかかる消費税は分かりやすいと思いますが、所得税に関しては、金投資を営利目的で継続的に売買しているかどうか(言い換えると事業的に金投資を行っているかどうか)、どれくらいの期間金を保有しつづけているかによってかかる税金額や適用される税制の内容が変わってきます。
今現在は、金地金購入のようなシンプルな投資方法だけではなく、純金積立や、投資信託のような証券的な投資方法まで、金投資のやり方が多様化しています。
そのため、金投資としてかかる税金を「こういう場合はいくらくらい」と場合分けで考えるよりも、ご自身が行っている、また行おうと検討している金投資のやり方別で税金を考慮していく方が分かりやすくておすすめです。
ここでは、金の投資方法別にかかる税金や税制について解説していきます。

目次

1  金地金、地金型金貨への投資にかかる税金
  1.1  事業的に金を売買していない場合
  1.2  事業的に売買によって利益を得ている場合
2  純金積立にかかる税金
3  金の投資信託・ETFにかかる税金
  3.1  損失を最大3年間繰越すことができる
  3.2  他の投資商品の利益と損益通算することができる
  3.3  作った証券口座の種類
  3.4  NISA(少額投資非課税制度)が利用できる
4  金の先物取引・CFDにかかる税金
5  金投資にも税金はかかる

金地金、地金型金貨への投資にかかる税金

金地金と地金型金貨にかかる税金は、以下の2点です。

・購入時にかかる消費税(税込価格で各社価格相場が表示されている事が多い)
・売却によって得た利益に対してかかる所得税

金地金と地金型金貨の売買で得た利益に対してかかる所得税額を計算する上で重要なのが、次の2点です。

・事業的に金を売買して利益を得ているかどうか
・金の保有期間が5年を超えるかどうか

よって、事業的に金を売買して利益を得ているか否かによって、大きく2つに分かれます。
事業的か事業的ではないかについては、次のように判断されます。

・資産運用の一貫として金を購入し、スポット的または不定期に売却(譲渡所得)
・副業として金を継続的に売買(雑所得)
・事業(個人事業主)として金を継続的に売買(事業所得)

事業的に金を売買していない場合

一般的にサラリーマンが資産運用の一貫として金を保有し、それを1回限りのスポット的、または不定期に売却して差益を得た場合には、譲渡所得として扱われます。
譲渡所得には50万円の特別控除枠が設けられているため、次のような計算で税金を計算することができます。

・金の売却によって得た利益ー特別控除50万円=課税対象額
・課税対象額×税率(※以下課税対象額に応じた税率)=税金額

 

 

 

 

【参考元:国税庁HP「No.2260所得税の税率」】

また、金の保有期間が5年を超える場合には、長期譲渡所得として取り扱われ、次のような計算で税金を計算することができます。

・(金の売却によって得た利益ー特別控除50万円)×1/2=課税対象額
・課税対象額×税率(※上記課税対象額に応じた税率)=税金額

仮に1年の間に保有期間が5年を超える金の売却利益と、それに当たらない金の売却利益が混在している場合には、特別控除枠は両方合わせて50万円となります。
決して両方の特別控除枠を合わせて100万円とはならないので注意が必要です。
また、金の売却利益が50万円以下であった場合には、その利益分の金額までしか控除できません。
仮に金の売却利益が30万円であり、特別控除枠が20万円あるからといって他の投資などで得た利益を控除することはできないので注意しましょう。

事業的に売買によって利益を得ている場合

事業的に金投資によって利益を得ていると判断された場合には、譲渡所得ではなく、雑所得もしくは事業所得として扱われます。
副業の場合は「雑所得」、個人事業主として事業で行っている場合には「事業所得」となります。
譲渡所得との大きな違いは特別控除枠50万円が使えないことです。
また雑所得と事業所得の大きな違いは、他の所得と損益通算(もし課税対象額がマイナスになった場合に、他の所得と相殺すること)できるか否かです。
雑所得は基本的に他の雑所得以外とは損益通算をすることができません。
しかし、事業所得は他の所得と損益通算をすることが可能です。
これらを踏まえた上で、雑所得は、次のように税金額を計算することができます。

・金の売却によって得た利益ー必要経費=課税対象額
・課税対象額×税率(※課税対象額に応じた所得税率)=税金額
※雑所得は同じ雑所得以外とは損益通算することが原則できない。

また、事業所得の場合には、次のように税金額を計算することができます。
・金の売却によって得た利益ー必要経費ー青色申告特別控除額(10万円or65万円)=課税対象額
・課税対象額×税率(※課税対象額に応じた所得税率)=税金額
※事業所得は他の所得と損益通算することができる。

純金積立にかかる税金

純金積立にかかる税金は、前述した金地金や地金型金貨の売買にかかる税金と基本的には同じですが、1点だけ異なります。
それは、金の購入総額の算出方法です。
金の価値は常に変動しているため、金地金や地金型金貨の場合は、購入時の相場で金の購入価格が算出されます。
しかし、純金積立の場合には、毎月の積立金額を純金積立を行っている会社の営業日数(20日程度)で割った金額の金を毎日購入します。
そのため、純金積立の場合には、「総平均法に準ずる方法」という算出方法で、金の購入価格が算出されます。
総平均法に準ずる方法とは、購入開始時から譲渡時までの購入総数を、同期間の1購入単位あたりの平均金額で割ることによって購入金額の総額を算出する方法です。
次のような計算式で購入金額の総額を計算することができます。
・(A+B)÷(C+D)=1購入単位あたりの金額
※A=金を最初に購入した時(その後既にその株式等を譲渡している場合には、直前の譲渡の時)の購入価額の総額
※B=金を最初に購入した後(その後既にその株式等を譲渡している場合には、直前の譲渡の後)から今回の譲渡の時までの購入価額の総額
※C=Aに係る金の購入総数
※D=Bに係る金の購入総数
【参考元:国税庁HP「同一銘柄の株式等を2回以上にわたって購入している場合の取得費」】

金の投資信託・ETFにかかる税金

金の投資信託やETFなど金融商品によって得た利益(売却益・分配益)の場合、金地金や地金型金貨、純金積立など他の所得と合わせて課税される「総合課税」と違い、他の所得と区別して税金額を計算する「申告分離課税」によって課税されます。
そのため、株式投資などと同じ方法で課税されます。
申告分離課税では、税金額は確定申告によって計算された課税対象額に対して一律で20.315%の税率をかけることで計算されます。
金の投資信託・ETFにかかる税金として抑えておくべき重要なポイントが次の4点です。

・損失を最大3年間繰越すことができる
・他の投資商品の利益と損益通算することができる
・作った証券口座の種類
・NISA(少額投資非課税制度)が利用できる

それぞれ何がどのように重要なのかを解説していきます。

損失を最大3年間繰越すことができる

申告分離課税の最大の特徴は、損失が出た場合、その損失を毎年確定申告を行うという条件付きで最大3年間繰越すことができる点です。
つまり、仮に今年マイナス30万円の損失が金の投資信託やETFなどで出てしまった場合、翌年にその損失を繰越し計上することができるのです。
簡単に言えば、これは翌年の利益額を30万円減らすことができるという事です。
もっと簡単に言えば、30万円分にかかる税金額を減らすことができるという事になります。

他の投資商品の利益と損益通算することができる

他の金融商品などで出た損失や利益などと、金の投資信託、もしくは金ETFによって生じた利益や損失は合算することができます。

作った証券口座の種類

通常金の投資信託やETFといった金融商品を購入する場合、証券口座を作ることになりますが、その際に「特定口座(源泉徴収有り)」「特定口座(源泉徴収なし)」「一般口座」の3種類の中から1つ選ぶことになります。
どれを選ぶかによっても税金の考え方が大きく異なります。
まず特定口座(源泉徴収有り)を選んだ場合は、証券会社が代わりに納税してくれているため、自分自身で確定申告および納税をする必要はありません。
しかし、年間の利益が20万円以下となる場合であっても課税されていまします。
一方で特定口座(源泉徴収無し)を選んだ場合には、年間の利益が20万円を超える場合には確定申告および納税が必要になります。
20万円以下の場合には確定申告は不要です。
また、一般口座を選んだ場合には、特定口座(源泉徴収無し)と同様に、年間の利益が20万円以下の場合には確定申告は不要です。
それを超える場合には確定申告が必要になります。しかし、特定口座とは違い年間取引報告書を証券会社が作ってくれません。
そのため年間取引報告書を自身で作成して、毎年確定申告を行うという手間がかかります。
しかしながら特定口座では取り扱えない商品が扱えるというメリットが一般口座にはあります。

NISA(少額投資非課税制度)が利用できる

金の投資信託や金ETFなど金融商品ついては、一定の投資枠内であがった利益を非課税にしてくれるNISA
(少額投資非課税制度)が利用できます。

金の先物取引・CFDにかかる税金

金の先物取引・CFDにかかる税金についても金の投資信託や金ETFなどと同様に「申告分離課税」によって課税されます。
違う点としては、先物取引については「日経225先物」や「店頭FX」「くりっく365」などと損益通算をすることが可能であるという事です。

金投資にも税金はかかる

金にもその投資方法によってそれぞれ税金が課税されます。
また、金投資は譲渡所得の特別控除枠50万円や長期保有による減税など税金面で非常に優遇されている投資方法です。
そのため、事業として、または営利目的で継続的に売買するのではなく、資産を金に変えていざという時のために金投資をして保有する、
もしくは不定期で売却してお金に変えるといった守りの資産運用として活用する場合には、税金対策としても有効です。
また、消費税が今後10%からそれ以上と上がってくる事を考慮して、今のうちから金を購入しておくのも一つの考え方と言えるでしょう。

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