【最近話題のつみたてNISA(積立NISA)とは一体何?資産運用のプロが徹底解説】

テレビや雑誌などメディアで大きく取り上げられて有名になったつみたてNISA(積立NISA)
みなさんもどこかで一度は耳にしたことがあると思います。
資産運用などをやられている方にとっては身近な制度だと思いますが、ほとんどの人がどういった制度なのか詳しく知らないと思います。
ここでは、そんなつみたてNISA(積立NISA)についてわかりやすく解説していきます。

目次

1  そもそもつみたてNISA(積立NISA)とは?
1.1  普通のNISAと何が違うの?
2  つみたてNISA(積立NISA)のメリット
3  つみたてNISA(積立NISA)のデメリット
3.1  対象となる金融商品が限定されているため自由度が少ない
3.2  損した際に損益通算ができない
3.3  損した際に繰越控除ができない
3.4  非課税枠に融通が効かない
4  つみたてNISAは税制メリットが大きいが使う際は慎重に!

そもそもつみたてNISA(積立NISA)とは?

つみたてNISA(積立NISA)とは2018年1月より始まった、少額投資非課税制度です。
通常の口座を使って、投資であがった利益には20.315%の税金がかかります。
例えば、今年120万円の株式を購入し、値上がり益と配当金で、年間40万円の利益があったとします。
利益が上がった時点では40万円が手元に入ってきますが、実際には翌年に40万円の20.315%(8万1,260円)を税金として支払わなければなりません。
つまり、年間120万円の株式購入によって40万円の利益をあげても、トータルで見れば利益として手元に残るのは31万8,740円という事にないます。

しかし、NISA口座を作り、そこで投資取引を行えば、年間120万円の投資額(購入額)までの投資利益が非課税になります。
先ほどの例で言えば、年間120万円までの株式購入によってあがった利益から税金が引かれることなくそのまま手元に残るということです。
※年間130万円の株式を購入した場合には10万円分で得た利益だけに税金がかかるという事です。

他にも期間やNISAが使える期間など様々な制約がついていますが、これがNISA(少額投資非課税制度)のざっくりとした仕組みです。
これまでは、株や投資信託の値上がり益や配当金にのみ使えていたNISAが、毎月コツコツと積み立てながら運用していく積立投資にも使えるようになったのがつみたてNISAです。

普通のNISAと何が違うの?

普通のNISAとつみたてNISAの違いは一口で言えば、短期投資向けの制度か、長期投資向けの制度か?です。
普通のNISAは非課税対象枠が毎年120万円まで、非課税期間は最長で5年と短期投資向けの制度だったため、毎年コツコツと長期に渡って利益を積み上げていく積立投資には不向きでした。
しかし、つみたてNISAでは非課税対象枠が毎年40万円まで、非課税期間は最長で20年と長期投資に向いた制度となっています。
具体的な違いについては次の表をご覧ください。

 

 

 

 

 

 

わかりやすく言うと、株式など短期投資を行なっている人は普通のNISAを、積立投資のように長期でコツコツと投資を行なっている人はつみたてNISAを使えるようになったという事です。

つみたてNISA(積立NISA)のメリット

つみたてNISAのメリットは「いままで投資の利益に対してかかっていた税金がかからなくなる」もしくは「税金が少なくなる」という点に尽きます。
非課税枠内の利益の20.315%分の税金がかからなくなる訳ですから、大きな金額を回している投資家にとってのメリットは少ないかもしれませんが、会社員や公務員などで副業として積立投資を行なっている人にとってはメリットの大きな制度だと言えます。

つみたてNISA(積立NISA)のデメリット

一口に言えば、投資による利益が黒字の時には良いですが、赤字の時には損をしてしまうという点がつみたてNISAのデメリットです。
またつみたてNISAの案件は限られている(※金融庁が厳選した投資信託やETFの中からしか選べません)ので、自由に金融商品を選べないというのも1つのデメリットだと思います。
では具体的にどのようなことがデメリットになるのか、詳しく解説していきます。

対象となる金融商品が限定されているため自由度が少ない

つみたてNISAの対象となる金融商品は限定されています。
金融庁が認めた投資信託やETFしか対象となっていないため、自由度が少ないと言うメリットがあります。
例えば、上場株式であったり、J-REIT(不動産投資信託)は対象外になります。
いま現在全国で約6,000本の投資信託案件があると言われていますが、そのうちつみたてNISAが使えるのはわずか132本のみです。
そのため、幅広い金融商品から選べなくなってしまうという点でデメリットとなることがあります。

損した際に損益通算ができない

投資ですから、利益を得ることもあれば、損をすることもあります。
通常は、投資で損をすると、その損失分を他の投資の利益と合算することができます。
例えば証券口座Aで20万円の利益があり、証券口座Bで10万円の損失があった場合、証券口座AとBの利益と損失が合算されて、10万円分が課税対象となります。

これを「損益通算」と呼びますが、NISA口座で損失をしてしまった場合、この損益通算ができなくなります。
例えば証券口座Aで20万円の利益があり、NISA口座で10万円の損失があった場合、通常口座であれば10万円の利益となるところ、NIS口座の場合は損益通算ができず、20万円が課税対象となってしまいます。
このように複数口座で投資を行なっていた場合、NISA口座で損をしてしまうと本来かからない税金がかかってしまうという事です。

損した際に繰越控除ができない

通常の口座で投資を行なって損をした場合、その損失額は3年間繰越すことができます。
例えば証券口座Aで40万円の損失があり、次の年に証券口座Aで40万円の利益があった場合、前年の損失と次年の利益を合算することができ、次の年の利益を0円とすることができます。
これが3年に渡ってできるという事です。

例えば証券口座Aで120万円の損失があり、次の年の損失が40万円、その次の年の損失が40万円、その次の年が40万円だった場合、最初の年の120万円の損失が3年間繰り越されて前年度の利益を0円とすることができるのです。
NISA口座で損失をした場合にはそれができません。
しかし、つみたてNISAの場合は長期投資を対象にした制度なため、普通のNISAよりはデメリットは少なくなります。

非課税枠に融通が効かない

また、非課税枠は毎年40万円と決まっており、この枠の繰り越しができないのもデメリットの一つです。
例えばNISA口座で10万円の金融商品を購入した場合、10万円分の非課税枠を消費します。
その際に、残りの30万円分の非課税枠が繰越せそうな気がしますが、繰越すことはできません。
また、ケースによってこの融通の効かなさによって次のようなデメリットを生じる場合もあります。

一度消費した非課税枠は戻らない

また、1度消費した非課税枠が元にもどらないという事にも注意が必要です。
例えば月に5万円ずつ金融商品を購入していたとしましょう。
そうすると8ヶ月後には非課税枠の40万円をオーバーしてしまい、課税されてしまいます。
それを防ぐために8ヶ月後に20万円分の金融商品を売却したとします。
そうすると非課税枠が20万円戻りそうな気がしますが、実際は戻りません。

スイッチングした場合も非課税枠を消費する

いま現在持っている金融商品を売却し、新しい金融商品を購入した場合も非課税枠を消費するため注意が必要です。
例えば保有していた金融商品を20万円分を売却し、そのお金で20万円分の新しい金融商品を購入した場合、資産的には1円も増えていませんが、非課税枠を20万円分消費します。
そのため、スイッチングを行う際には十分に注意しましょう。

分配金を再投資する場合も非課税枠を消費する

金融商品を保有しているとそれに対して相場によって分配金が支払われます。
この分配金を再投資した場合もその分配金の金額分非課税枠を消費するので注意しましょう。
つまり、毎年40万円しか使えないからと言って、毎月3万3,333円というギリギリの積立投資をやっていた場合、分配金が支払われてしまうと、非課税枠を年内のどこかで超えてしまい、それ以上購入ができないという事態になってしまいます。

つみたてNISAは税制メリットが大きいが使う際は慎重に!

月に3万円以下の積立投資を行なっている場合には、つみたてNISAは税金がかからないという点で非常に有益です。
しかし、本記事でご紹介した通り、使い方によっては非課税枠を無駄に消費したり、また損をしてしまった場合には、損益通算ができずかえってマイナスに働いてしまうこともあります。
非常に便利な制度ではありますが、使う前にしっかりとキャッシュフローなどを計算して使うようにしましょう。

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