【日本国は今後借金で本当に財政破綻するのか?私たちへの影響はあるの?】

「日本が借金のしすぎでギリシャのように財政破綻してしまう可能性がある」こんな噂を耳にしたことはありませんか?
一時期このような噂で、将来が不安を感じたという方も多いのではないでしょうか?
実際のところ、日本の借金額は世界各国に比べて群を抜いて多くなっています。
また、さらに借金額は年々増え続けているのが現状です。
このまま本当に日本は将来財政破綻してしまうのでしょうか?
もし仮に日本が財政破綻してしまった場合、私たちにはどのような影響がでてくるのでしょうか?
本記事では、世間的に噂されている日本の財政破綻の可能性について考察していきます。

目次

1  日本国の借金額は一体いくら?
  1.1  日本国の借金額は多いの?少ないの?
2  日本国は本当に今後借金で財政破綻するのか?
  2.1  国債金利の高さ
  2.2  国債がどれくらい外貨で購入されているか?
3  国が財政破綻すると国民はどうなるの?
4  日本国はそう簡単に財政破綻しないが、準備はしておこう!

日本国の借金額は一体いくら?

2017年5月10日に財務省が発表した「国債及び借入金並びに政府保証債務現在高(平成29年3月末現在)」によれば、日本国の借金の総額は1,071兆5,594億円(平成29年3月末時点)となっています。

日本国の借金額は多いの?少ないの?

日本の借金額だけ見てもそれが多いのか多くないのかが分かりません。
世界各国と比べて日本の借金額は多いのでしょうか?それとも少ないのでしょうか?
それを判断するために参考となる指標が、政府総債務残高(対GDP比)です。
GDPとは「国内総生産」の事で、国内で生産された商品やサービスの総額を示したものです。
つまり政府総債務残高(対GDP比)とは「国内で生産された商品やサービスの総額の内国の借金は何%程度なのか?」を示した数値であり、国の経済規模に対しいどれだけ多くの借金をしているのかを表します。
この数値が100%を超えているということは、国の経済規模以上の借金をしてしまっているということです。
国際通貨基金IMFが毎年発表している「World Economic Outlook Databases」では世界各国の政府総債務残高(対GDP比)が公表されておいます。
2018年のデータを元に政府総債務残高(対GDP比)が多いTOP10の国を抜き出すと次のようになります。

 

 

 

 

 

 

 

 

(出典)IMF – World Economic Outlook Databases (2019年10月版)

このランキングを見ると、日本は、世界各国に比べて国の経済規模に対してダントツで多くの借金をしていることが分かります。
2010年から財政破綻の危機に直面しているギリシャや事実上の財政破綻をしているレバノンよりも日本は圧倒的に高い水準で借金をしているのです。
このデータだけを見ると「いよいよ日本も財政破綻してしまうのでは・・・」と不安になってしまうと思いますが、本当に日本は今後借金で財政破綻してしまうの可能性があるのでしょうか?

日本国は本当に今後借金で財政破綻するのか?

実は国が財政破綻しそうかどうかは、政府総債務残高(対GDP比)の高さだけでは決められません。
国が財政破綻するかどうかを見極めるためには、政府が発行する「国債の金利の高さ」と「国債がどれだけ外貨に変わっているか?」という指標も考慮する必要があります。

国債金利の高さ

まず、「国債の金利の高さ」は、需要の高さを示します。国債は金融商品なので、需要の高い商品ほど金利が安くなり、需要が低い商品ほど金利は高くなる傾向があります。
なぜなら、需要の低い商品は金利を高くして投資家にとって魅力的な商品にしなければ売れないからです。
国債を買ってくれる人がいなければ、国は借金をできなくなるため、国の財政悪化とともに通常国債金利は上がっていきます。
実際に、2010年のギリシャ危機の際には、ギリシャ国債の金利は36%以上という異常な金利の上昇を見せています。
一方で、日本の国債金利は、昭和61年の約5%(10年国債金利)から、多少の上昇下降を繰り返しながら、徐々に下がってきており、今現在(平成29年10月末時点)では、0.071%と世界で一番金利の安い国債、すなわち一番人気の高い国債となっています。
つまり、日本国はそれほど高くない金利で借金ができるような状態であり、需要も豊富です。
そのため、国債金利の高さを見る限りでは、日本がギリシャやレバノンのように今後財政破綻する可能性は低いと言えます。

国債がどれくらい外貨で購入されているか?

国債金利の高さだけではなく、国債がどれくらい外貨で購入されているか?も国の財政を見る上で非常に重要な指標の一つです。
例えば、ギリシャの国債は全体の約30%が国内でユーロで購入され、残り約70%が国債マーケットに出され、外貨で売買されています。
このように国債が外貨で購入されてしまうと、自国通貨であるユーロで返済が出来なくなってしまい、返済がつまってしまった時に対処する術がなくなってしまいます。
一方で、日本の国債は全体の約96%が国内で円で購入され、残り4%が海外で売買されています。
この4%も実は円で購入されているため、実質日本の国債は100%円で購入されているということになります。
そのため、日本国は返済を自国通貨である円で行うことができる他、もし返済につまってしまった場合には最悪、円を発行して返済することが可能です。
円をいきなり大量発行してしまうと、インフレが起きてしまう可能性があるというデメリットがありますが、もし国の財政破綻になった際には最悪そういった対処も取れるということなのです。

国が財政破綻すると国民はどうなるの?

もし仮に国が財政破綻してしまった場合、国民にはどのような影響が出るのでしょうか?
私たちの生活に直結する影響としては次のようなものが想定できます。

・インフレ・・・財政破綻すると円の価値が一気に落ちます。1ドル300円、400円と円安が急激に進み、インフレが起きます。インフレに伴い物価は上昇し、今ままで1個100円で買えたおにぎりが1000円出さなければ買えないという状況になります。円の価値は日に日に落ちていき、そこから円をドルなど外貨に変えようと思っても円の信用が失墜してしまっている以上難しいと言えます。そのためこれまで平均的な生活を送っていた方は貧困者に、貧困生活を送っていた方は破産などに追い込まれてしまう可能性があります。財政破綻して一番私たちの生活に影響を与えるのがこのインフレです。
・失業率の増加・・・国を会社として置き換えてみると分かりやすいです。もし会社が経営危機に陥ってしまったら、まず行われるのが人件費の削減です。そのため公務員や政府関連会社の社員の大幅リストラなどが行われる可能性が高くなります。
・金融機関の経営危機・・・金融機関の資産のうち約3割程度が国債です。郵貯銀行などは、他への融資を行っていないためほぼ国債で運用を行っています。そのため国が財政破綻すると合わせて金融機関の経営も一気に悪化し、経営危機に陥ってしまいます。

日本国はそう簡単に財政破綻しないが、準備はしておこう!

日本国債の金利の安さ(人気の高さ)や、すべて円建てで購入されているということから、例え政府総債務残高(対GDP比)が世界トップであってもそう簡単に日本国は財政破綻する事は無いと言えます。
しかし、いつどのような異常事態が起きてもおかしくない世の中です。
日本国が破綻した場合、誰も皆さんの生活を守ってくれません。
最悪のケースは想定した上で、最低限「円だけではなく、他の外貨で資産を持っておく」「資産価値が落ちにくい現物資産を保有する」など自分で出来る範囲の対策をしておくようにしましょう。