【金融機関の定期預金だけで老後の資産形成ができるのか?】

お金を貯めたいと思った時にまず思いつく方法が「預貯金」そして、「定期預金」ではないでしょうか。
現金ベースでの資産を重視する日本では、将来の資産形成のためにと「定期預金」を行なっている方も多いと思います。
しかし、本当に「定期預金」が将来の資産形成に繋がっているのでしょうか。
本記事では、実際に老後までに「定期預金」を使って資産形成をすることが可能なのかについてモデルケースをあげながら詳しく検証していきたいと思います。

目次

1 そもそも定期預金とは?
2 定期預金でどれくらいお金が増えるのか?
 2.1 メガバンクの定期預金の場合
 2.2 ネットバンクの定期預金の場合
3 インフレ率を加算してみよう
4 定期預金だけで資産形成するのは難しい

そもそも定期預金とは?

定期預金は、「ある一定期間、一定額を預けると、満期に預けた時よりもお金が増える」という金融商品の一つです。
例えば100万円を3年間、定期預金として金融機関に預けていると、3年後にはそれが各金融機関の利率に合わせて100万円以上になって返ってきます。
預けている間は、解約しない限りそのお金を下ろすことはできませんが、普通貯金の利率よりも良い利率でお金が増えるため、将来の資産形成のためにと「定期預金」を行なっている方は多いと思います。

定期預金でどれくらいお金が増えるのか?

定期預金で一体どれくらいお金が将来的に増えるのか、実は計算したことがないという人は多いのではないでしょうか。
ここでは実際に各世代の平均貯金額を元に、実際に20代から定期預金を駆使して60代になるまでにどれくらいお金を増やすことが可能なのかについて計算してみます。
まず、金融広報中央委員会が行なっている「平成29年度家計の金融行動に関する世論調査(二人以上世帯調査)」から、各年代の預貯金の平均額をリストアップしてみると次のようになります。

この平均預貯金額の半分を定期預金に入れたと仮定して60代でどれくらい増えるのかを検証していきます。
※今回、三菱UFJ銀行、三井住友銀行といった一般的なメガバンクで行なった場合と、一番金利の高いネットバンクで行なった場合の2種類の固定金利定期預金を利用したと仮定して検証を行います。

メガバンクの定期預金の場合

メガバンクの定期預金の場合、通常は年数が長いほど定期預金の利率は大きくなります。
そのため、今回も最長である10年で、表1の各年代の平均預貯金額の半分を定期預金に入れたと課程すると、お金は次のように増えていきます。(※2018年2月時点の10年の定期預金の金利は0.01%なので、それで検証を行いました)

この結果から、20代から各年代の平均預貯金額の半分を定期預金で運用したとしても、60代が終わるころまでに16,145円しか増やすことができないという事になります。

ネットバンクの定期預金の場合

ネットバンクの場合には、一番高い金利が取れる5年の定期預金を行なったと仮定して、各年代の平均預貯金額の半分を定期預金で運用したとしてシミュレーションしてみましょう。(※2018年2月時点で一番金利が高く取れるのがオリックス銀行の5年もの、0.30%の定期預金なので、それで検証を行いました)

この結果から、20代から各年代の平均預貯金額を、メガバンクよりもリスクが高く、金利が最も高い定期預金で運用したとすれば、60代が終わるころまでに48万4,350円増やすことができます。

インフレ率を加算してみよう

お金は金(きん)などと違いそれ自体に価値があるわけではなく、円という通貨の信用によって価値が生み出されています。
よく今回の記事のように資産運用のシミュレーションを行う場合、円の価値は一定であるという前提の元で計算が行われていますが、それはあまり正確ではありません。
例えば、30年前から比べて、物価はおおよそ2倍近くにまで上がっています。これは円の価値が30年前に比べて2分の1に下がったという事です。
また、昨年2017年に日本銀行の黒田総裁がインフレ目標2%と発言したことは耳に新しいと思います。
インフレとは「円の価値を下げること」です。
つまり今まで100円で買えていたパンは102円出さなければ買えなくなるという事です。
もっと言えば、100万円あったあなたの貯金の価値が98万円にまで減ってしまうという事です。
今後日本はインフレ政策を活発に行い、どんどん円の価値は下がっていくことが予想されます。
また消費税増税も今後さらに行われる可能性や、社会保障制度の崩壊の可能性などから国民一人ひとりに課せられる負担額が大きくなることも予想できます。
少し極端ではありますが、この毎年インフレ率が2%ずつ増えていくと仮定してみると毎10年で次の表3のような結果になってしまいます。

つまり、単純に考えてネットバンキングの一番高い利率の定期預金をやって48万4,350円増やしたとしても、その頃には322万9,000円分の価値が減ってしまっているという事になります。
つまり、少なくとも60代までにこの322万9,000円以上の価値減少をカバーできるぐらいの資産形成ができていなければ、老後に安定した資産形成をすることは難しいという事になります。

定期預金だけで資産形成するのは難しい

確かにネットバンクのような金利の高い定期預金を使えば、数十万を増やせるほどの資産運用ができます。しかし、それだけではインフレが進んだ最悪のケースには対処することはできません。
そのため、定期預金だけでは資産形成をすることは難しいと言えます。あくまで定期預金は1つの選択肢として、将来のインフレに対応できるような資産運用方法を検討していく必要があります。
ファイナンシャルラボでは、サラリーマンや公務員が実際にどのような資産運用を行なっているのかなど、専門家視点の情報を多く配信しているメディアです。
そのため、ここに上がっているコンテンツを見るだけでもかなり勉強になると思います。
まずはそういった勉強によって「どんな資産運用方法が他にあるのか?」自分自身の選択肢を増やしていくことから始めてみてはいかがでしょうか。