【保険の仕組を理解して上手に保険を活用しよう】

保険に加入していれば、少ない保険料でいざという時に多額の保障が受けられます。
このような保険の仕組みは個人にとっても心強いものですが、保険会社が損をしているのではないかと思う人もいるかもしれません。
保険は少数の人のリスクを多くの人から集めた保険用で賄う仕組になっていて、保険会社が損をすることがないように設計されています。
本記事では、保険の仕組みや保険の成り立ちについて分かりやすく解説していきましょう。
保険の性質を正しく理解して、より上手に保険を活用できるようにしていきましょう。

保険はアクシデントの備えるための仕組み

普段の生活にはさまざまなリスクがあります。
病気にかかるリスクや、けがをするリスク、事故や火災に遭うリスク、若くして亡くなるリスクもあります。
最近では、混雑した電車で痴漢に間違われる冤罪リスクや、自転車で他人にけがを負わせたときの賠償リスクなども注目されています。
病気・怪我・事故などのアクシデントが一度起こると、収入が途絶えたり、治療費がかかったり、損害賠償を求められるなど、経済的な損失が発生します。
このようなアクシデントによる経済的な損失には、次のような方法で備えます。

・貯蓄をする
・保険に加入する

例えば、世帯主が死亡した時に、残された家族が今後生活をしていくために5,000万円必要とされる家庭について考えてみましょう。
普段の生活をしながら5,000万円を貯蓄しようとすると時間がかかってしまいます。
貯蓄を始めた翌年に世帯主が死亡すれば、その後の生活資金は大幅に不足することになります。
一方で、5,000万円の保険金が支払われる生命保険に加入していた場合、世帯主が死亡した時に5,000万円を受け取ることができます。
保険に加入した翌年に世帯主が死亡しても5,000万円が受け取ることができ、その後の生活資金の心配はいらなくなります。
保険に加入することで、少ないコストでいつ起こるか分からないアクシデントに備えることができるのです。

保険の仕組みは紀元前からあった

アクシデントによる経済的な損失に備える仕組みは、近代になってできたものではありません。保険の原型となる仕組みは、紀元前からあったとされています。
現在の損害保険に近い物で、商人が荷物を紛失したときや強盗されたときに損失が補填されていました。
近代的な保険の形態としては、14世紀後半に海上保険の仕組みが整えられ、15世紀にかけて普及したと言われています。
17世紀には、イギリスのロンドンで起きた大火災をきっかけに火災保険が誕生しました。
生命保険は中世ヨーロッパにおける同業者組合(ギルド)で始まった相互扶助の仕組みを起源とし、18世紀にはイギリスで今のような近代的な保険制度ができたと言われています。
日本でも、古くから義倉、無尽、頼母子講などの相互扶助の仕組みはありましたが、近代的な保険の制度は明治維新の前後に欧米からもたらされました。

保険の仕組みとは??

保険は少数の人が被る経済的損失を多くの人から集めた保険料で賄う仕組になっています。
どのようにして、少数の人のリスクを多くの人で負担しあうのか、保険の仕組みについて詳しくお伝えします。
多額の保険料を払って保険会社が損をすれば経営破綻につながり、いざという時に保険金を支払う本来の役割が果たせなくなってしまします。
しかし、生命保険や損害保険では、保険料が「大数の法則」と「収支相等の法則」によって計算されていて、保険会社は通常、多額の保険金を支払っても損をすることが無いような仕組が構築されています。

大数の法則とは??

「一人ひとりに起こる事象は偶然で不確実であっても、多くの人をまとめて一つの集団として見たときには一定の確率のもとで事象が起こる」という法則を「大数の法則」と言います。
ある生命保険の契約者(40歳・男性)が何歳で亡くなるかは予測することができませんが、全国の40歳の男性があと何年生きられるかを示す平均余命は統計数値として算出されています。
保険会社はこのような統計から保険金を支払う確率を計算して、保険料を定めているのです。生命保険や医療保険では加入時の年齢が高いほど保険料が高くなりますが、これは年齢が高くなるほど死亡したり病気にかかったりする確率、つまり保険金を支払う確率が高くなるからです。

収支相等の法則とは??

収支相等の法則とは、「契約者から集めた保険料の総額とその運用益の合計は、支払う保険金の総額と保険会社の経費の合計に等しくなる」という法則です。
この収支相等の法則は次のような式で表されます。

契約者化から集めた保険料の総額+運用益=支払う保険金の総額+保険会社の運営経費

例えば、死亡時に1,000万円の保険金が支払われる生命保険に契約者が1,000人いて、その人たちの年間死亡率が0.2%である場合について考えてみましょう。
契約者1,000人の年間死亡率が0.2%ということは、年間に契約者のうち2人が死亡すると予想されます。
年間に支払われる保険金額は2,000万円と見積もられます。
保険会社の運営経費を無視すると、この2,000万円を1,000人の契約者で賄うため、1人あたりの保険料は年間2万円となります。(※実際には運用益と運営経費が加味されます。)保険では加入から間もなく保険金を受け取る人がいる一方で、長期間加入していても保険金を受け取らない人もいます。このように契約者の個々の収支にはバラツキがあっても、契約者全体で見ると収支は等しくなるのです。

保険は万が一のときの備えだけで十分

ここまでお伝えしてきたように、保険には一個人では賄うことができない経済的損失をもたらすアクシデントに備える目的があります。
いまでは、満期になると支払ってきた保険料の総額を上回る保険金がもらえる貯蓄型の保険もありますが、貯蓄を目的に保険を活用することは効率が良いとはいえません。
収支相等の法則のところでお伝えしたように、保険料には保険会社の運営経費が含まれているため、保険料の全額が将来受け取る保険金の原資になるわけではないからです。
保険を活用するのであれば、万が一のときの備えとして、死亡保険や損害保険(自動車保険や火災保険など)への加入で十分です。
また、死亡保険の保障額も定期的な見直しが必要です。
高額の死亡保障が必要なのは子供が小さいときであり、子供が大きくなるにつれて必要な保障額は減っていきます。
このように、保険の性質と仕組みを正しく理解し、必要な保障額を定期的に見直すことで、保険を上手に活用していきましょう。

無料オンライン講座は、
本編第1話からご視聴ください。

本編の動画はこちらからご覧ください